Ironman World Championship 2018 10/13 Race Day (Bike&T2)

プロ5位に入ったBraden Currie選手

バイク

タイム 5:10:20184/230人、80%)
平均心拍数 141/分(最大155
平均ケイデンス  83/分(最大107

バイクスタート直後の最初の坂道は、道の両側とも大勢の観客で埋め尽くされている。バイクシューズを履く前に登りに差しかかったので、靴を履かずに坂を登って、平地に出てからバイクシューズを履く。ペースを抑えているつもりでも38-40km/hくらい。パラニ通りを下ってクアキニ通りに入ってさらにペースを抑えると後続にどんどん抜かれる。それでも周囲のことは気にせず、心拍数を145/分以下に抑えることだけ気をつけて快調に進む。世界選手権の出場権がかかっているわけではないので気が楽だ。再びパラニ通りに戻って坂を登りきると、いよいよクイーンKハイウェイへ。水分も適度なタイミングで取れている。暑さも気にならない。

16km過ぎと、30km過ぎで20人ほどのドラフティング集団に抜かされる。車間距離2メートルほどで2列になって集団で進んでいる。世界選手権レベルだと全員厳格にルールを守ると思っていたがそんなことはない。自分よりスイムが遅いということは、おそらく出場権ギリギリ獲得レベルだろう。そういうレベルの人の中にはドラフティングをする人も多数いるということがわかった。バイク前半を抑えることに徹するために、ドラフティング集団に抜かれても、20分に1回の食事タイムの時だと思って、毎回、後ろに下がる。そうやって見送っていると、集団が2-300メートル先に行ったところで、後方からバイクに乗ってやってきた審判が正義の鉄槌を下す。カワイハエまでの途中にあるペナルティーボックスには10人以上が並んでいた。「お先に失礼します」と心の中で挨拶してパス。

60km過ぎで竹谷さんが横を通り過ぎていく。後ろ姿が美しい。

もうすぐカワイハエだが向かい風をほとんど感じない。そこを過ぎればハヴィの上りまでは強い向かい風はないと思われるので、願うような気持ちでカワイハエを目指す。結局、強い風がないままカワイハエを通過。水分摂取も食事も、水かけによる身体の冷却もすべてが順調。ここまでの平均時速も約35Km/h。事前のバイク想定タイムが33.2km/h5時間25分)だったので、ハヴィの折返し地点で平均時速34km/hだったらスイムに続いてさらにタイム稼げるなと期待が高まる。なので、ずっと抜かれ続けているが、気持ちに余裕をもって毎回下がり続け、彼らの後ろを追うこともしなかった。

ハヴィに向かう途中で男子プロの先頭集団と第二集団とすれ違う。第一集団にGomez選手はいるが、Sanders選手もKienle選手もいないので、おかしいなと思って通り過ぎる。続いて女子はCharles選手が単独トップ。第二集団にRyf選手を発見し、順当な感じ。

いよいよハヴィの上り。向かい風を覚悟して気持ちを引き締めて登り始める。しかし、風がない。遠くの方に見える樹木もほとんど動いていない。ほっと一安心。傾斜がゆるい区間ではスピードが30km/h超。でも、ここでも無理することなく、大殿筋とハムストリングスを意識してペダリング。そして、定期的なダンシングで負荷分散を繰り返す。もう少しで上り区間が終わるが、それにしてもさっきから大量のエイジグルーパーと思われる選手とすれ違っている。途中から人数のカウントをやめたが、100人、200人ではないことは確か。自分は順調に行っていると思っていたが、とんでもなく遅れているのではないかという思いが一瞬脳裏をよぎる。

ハヴィを折り返すとホストファミリーの二人が大声で私の名前を呼んで応援してくれる。元気をもらって後半へ。気分良くエイドステーションで水のボトルを受け取るが、2本目のボトルをとろうとしていたら、横から他の選手に「どけ」という感じで文句を言われながら押されて、イラッとしてしまう。2分くらい嫌な気持ちが続くか、そういう集中力を欠いた状態でハヴィの下りを50km/h超で降りると怪我するなと思い、再度集中し直す。

ハヴィの下りは横風もなくスムーズに終了。そして、カワイハエに戻る途中で、兄弟二人で参加しているPease兄弟とすれ違う。弟を乗せたバイクを一人で漕いでいる兄の表情が苦しそうだ。その表情と二人の取り組みを見た瞬間に、胸がいっぱいになると同時に、自分がすごく小さなことに固執していたような感覚になる。

(これは後で帰りの機内で記録をまとめていて感じたこと。目標タイムや順位などの結果を追うことと、それを生み出す過程を楽しむこと自体に違和感はない。そうではなくて、なぜ自分はもっと大きな目標を立てなかったのか。なぜ、その過程をもっと多くの人と共有して、少しでも誰かを勇気づけるようなことをしようとしなかったのか。今まで自分は多くの人からそういう恩恵を受けてきたのに。そういう気持ちになったのだと思う。もちろん、高い競技レベルの人や困難な境遇にいる人の挑戦だから多くの人が心を動かされる訳で、自分はそんなレベルや境遇にはないし、具体的に何をすべきか未だ分からないけれど、この瞬間が今回の世界選手権で最も印象に残る出来事だった。)

その後は、自分を抜いていく選手の数も少なくなり、追い越される選手と追い越す選手の割合も近づいてきた。自分を追い越していく選手の中には、男子エイジグルーパーから15分後にスタートした女子エイジグルーパーのトップ選手が含まれるようになる。彼女たちは男子選手のように筋肉隆々ではないが、自分よりもはるかに胴回りも脚も太く、力強い。

Scenic Pointを越えると後は大きな上りはなく、残すは30km程度。そのあたりから、バイク終了後のランを意識し始めるが、あまり闘志が湧いてこない。世界選手権出場を意識したケアンズやマレーシアでは、バイクまでの状況を振り返って、ランをどう展開すべきかを考え、ランスタートが待ち遠しいというか、早く始めたくて焦る感じだったが、今回はバイクから降りたくない感覚になってしまった。バイクは風が弱かったので想定を15分程度上回っているが、心拍数を145/分位内に押さえていたのでオーバーペースになった感じはしない。逆に、今回のレースで実現できたら良いなと思っていた総合タイム10時間以内が実現できそうになり、ギリギリのところで感じる緊張感のようなものが消えてしまったような気がした。「この状態で大丈夫かな」と少し不安な状態でバイク終了。

トランジション20:03:54

バイクをボランティアに預けてから着替えテントまでの道のりは、迷うことなくスムーズに進む。着替えのテントは小便器がテント内にむき出しで設置されているので、汗とトイレの匂いが混ざって大変なことになっている。すばやくキャップをかぶり、補給食を入れ替えてから、身体を冷やすためにテント内の氷を取りに行く。今回はジップロックの袋ではなく、水はけがよい台所用の水切りネットを用意したが、こちらはイマイチ。それよりも大きめの紙コップを2つ用意して、さっと氷を入れて時間短縮した方が良かった。これも「レースで初めての事はしない」という約束を守らなかった小さなミス。

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