Purple PatchにKonaの対策がまとまっていたので紹介します。合宿で感じた内容や、ウェブ上の他の記事とも重なる点も多いですが、私にとっては以下の新たな学びを得ました。
【新たな学び】
- スイム
- ウォームアップの具体的な方法を試す
- King Kamehameha’s Beach Hotelを目印にして事前に試泳する
- 全体を通して80%を超えない範囲で力をコントロールする
- T1で必ず水分補給する
- バイク
- 上りでは出力を上げて早めに終えることで、暑さの影響を減らす
- (地形や風が変わって)負荷が下がってきたら速やかに速度を上げて、高速域に移るまでの時間を短くする
- ラン
- アリィドライブ往復はペースを抑えて体温を下げる区間とする
- 適切なフォームを保つために目標物を定める
- 前半飛ばして失速するよりも、最後の16kmを早く走れる方がタイムは速い
- シューズは濡らさない
- 全体
- その日のパフォーマンスやレース内容はゴールするまで判断を保留する
以下、主な内容の抜粋です。
【スイム】
- スイムの前には必ずウォームアップをすること。具体的には、10分程度のジョグをした後に水に入る。3分程度のイージースイムの後に、30秒ずつ、moderate/smooth/strong(20秒)/smooth/very strong(10秒)/smooth/strong(20秒)/smooth/moderateで泳いで、ウォームアップ完了。
- 事前練習でKing Kamehameha’s Kona Beach Hotelを目印にして泳ぐ練習をしておくこと。
- カイルア桟橋の横の岩にはウニがいる場合があるので足を着ける前に注意が必要。
- ゴーグルは色付きの方がよい。フアラライ山から太陽が登ると眩しくて見えにくくなる。
- 多くのアマチュア選手はドラフティングを過大評価しているようだが、まずは自分でまっすぐ泳ぐことに集中すべき。その上で、もしドラフティングの機会があれば利用するくらいに留めること。
- 海の条件は日によって大きく変わるので、潮の流れ、うねり、波について、厳しい条件を想定して備えるように。
- レース中は80%を超える力を出さずに、全体を通して力をコントロールすること。
- 最速で泳ぐ鍵は、まっすぐ泳ぐこと。そのために6ストロークに1回はヘッドアップで状況確認すること(コナでのスイムは、その他のレースに比べて3−7分程度遅くなると想定すべき)
- スイムアップ後にT1で水分補給すること。水分補給はコナでの成功の鍵になる。
【バイク】
- バイクパートは5つに分けて考える。
- 1:T1からカイルア出発(クイーンK開始)まで
- 2つの上りがあり、観客や他の選手も多い。観客も多く、興奮してオーバーペースになりがちだが、ここを含めた前半を抑えることがバイクの成功を左右する。まずは自分のペースに集中すること。
- 2:カイルア出発からカワイハエまで
- 最初の30kmくらいは選手で混雑するが自分のリズムを保ち、水分・栄養補給を確実に行うこと。周囲に流されてオーバーペースになったり、集団を抜こうとして無駄な体力を使わないこと。序盤のオーバーペースは後で大きなマイナス影響を生じる。
- 3:カワイハエからハウィまで
- アップダウンが続いた後にハウィまでの上りがある。強い向かい風を想定し、レースの全体平均よりやや高いパワーで登れるように準備しておくこと。
- 4:ハウィからカワイハエまで
- 追い風を受けた下りでは速度が80kmを超えることがある。左に折れていくときに強風を受ける場合があるので、風をコントロールする技術を身に着けておくこと。
- 5:カワイハエからT2まで
- マウナ・ラニあたりは平坦だが右から向かい風を受ける場合がある。多くの選手が、この復路でパフォーマンスを落とすが、それは向かい風やアップダウンの地形をうまくマネジメントできないから。最後まで集中を切らさずに風とアップダウンに対処すること。空港を過ぎたらランのトランジションに備える。
- (地形や風が変わって)負荷が下がってきたら速やかに速度を上げて、高速域に移るまでの時間を短くすること
- コナのバイクコースで重要なのは、賢く、忍耐強くいること、そして他の選手に惑わされないこと。最初の45kmくらいは、自分のペダリングに集中して、良い姿勢を保ち、補給を確実に行うこと。
- ハウィからカワイハエまで戻るとT2に近づいたように感じるかもしれないが、ここからようやくバイクパートが始まると考えること。ここからT2までが非常にタフ。心を落ち着かせて、T2までに最高のペダリングが発揮できるようにすること。
- 世界の強豪選手と競うわけなので、速い遅いは気にせず自分のペダリングに集中すること。前半抑えて後半力を入れること。
- ハウィの登りに気を取られて、ハウィを下ってからのアップダウンや、クイーンKハイウェイに戻ってからのScenick pointの上りのことを忘れがち。これらの登り区間は非常に暑いのでゆっくり登ると更に暑さがキツくなる。適切なギアでオーバーペースにならない範囲で乗り切ること。
- 残り30kmくらいは追い風の時もあれば向かい風にもなる。この区間をしっかりエアロポジションで乗り切れることが重要。
【ラン】
- バイクと同様に忍耐強さが重要。多くの選手が最初の16kmを飛ばしすぎる。アリィドライブの木陰や、多くの応援を受けてスピードを上げすぎてしまうが、自分のペースを維持すべき。私の場合、最初の5kmくらいは水分と栄養補給に集中し、エイドステーションでは氷をもらって体内深部の温度を下げることに集中している。
- 最初の1-2kmで調子良いと思っても飛ばさない。最後の10kmに調子よく走れる方がレース全体のタイムは速くなる。
- クイーンKハイウェイに出ると観客もいなくなり、暑さが厳しくなる。呼吸とフォーム、ケイデンスに集中すること。
- 適切なフォームを保つために目標物を定めること。
- 最初は観客が多く力を出しがちだが、最初の16kmはペースを抑えて、Palani通りの坂で力を発揮すること。
- クイーンKハイウェイに出てからは、足の回転スピードを保って、登りでの力加減をコントロールすること。
- シューズを濡らさないこと。最初の16kmはバイクの時のように風がないのでとても暑く感じるが、体を冷やす時に足を濡らさないこと。水ぶくれで苦しむことになる。必要であればスペシャルニーズに乾いたシューズとソックスを入れておくもの良い。ランの最初の段階で体を冷やすこと。それによってその後のペースや心拍数を良い状態に保つことができる。
- エイドステーションでは、氷、水が入ったコップ、電解質のドリンクを受け取り、氷を水のコップに移して水が十分冷えた状態になってから飲むようにしている。それで体内深部の温度を下げる。
- 非常に暑い日に起きることだが、バイクの時は風の影響であまり暑さを感じなかったのに、ランになると高温と湿度が身体に重くのしかかってくることがある。そういう時はトランジションで十分に時間を取り、最初のエイドステーションで体温を下げる対策をしっかり行う。体内深部の温度をコントロールできないと、その後のパフォーマンスを大きく落としてしまう。
【最後に】
結果ではなく過程に集中すること。
- 1:集中する
- レース中は様々な疑問が湧いてきて、目に前のやるべき事への集中力を失いがち。注意力、集中力を保つことはチャレンジングなことであり、それ自体がトライアスロンのやりがいでもあることを忘れないように。
- 2:早い段階で自分のパフォーマンスを判断しない
- 多くの人がゴールする遥か前にその日の調子を判断してしまい、潜在的な力を発揮できずに終わる。
- 3:結果ではなくプロセスに焦点を当てる
- レースにおいては結果ではなく、目の前のやるべき事や結果が生まれるまでの過程に集中し続ける事。レースについての評価はゴール後のテントまで行わない。
- 4:適切に補給する
- レース中は身体の状態を確認し、継続的にカロリーと水分摂取状況を確認すること。10ー15分おきにカロリーを摂取する。
- 5:適切なフォームを維持する