書籍:『パチンコ』ミン・ジン・リー著

在日コリアン家族の4世代の物語。

登場人物の一人である母が、自分のもとを去っていく息子に対して、「(息子は)努力を諦めるしかなかった人々を思いやる気持ちがなかったのだ」と気づくシーンが印象に残りました。

私は神戸市出身ですが、新興住宅地で育ったこともあり、高校入学まで在日コリアンの存在を意識することはありませんでした。

先日、在日コリアンで世界的なジャグラーになった「ちゃんへん.」さんの自伝『僕は挑戦人』を読んで、在日コリアンの人々の第二次大戦前後から現在にかけての境遇を初めて知りました。

そのことが頭に残り、今回、アメリカ人作家のミン・ジン・リーによる『パチンコ』をオーディオブックで聞きました。

本書では、日本に侵略される前の朝鮮時代の様子から、第二次対戦中の疎開の様子、戦後の学校での差別やいじめの様子、高度経済成長に合わせて生活が変わっていく様子、そして世代が変わり抱える問題も価値観も変わっていく様子が、とても具体的に描写されています。

その中で、差別に負けないように人一倍努力してきた息子が、自分の出自を知って母を否定し、立ち去るシーンで、母が息子に抱いた感想が冒頭の一言。

「努力を諦めるしかなかった人々を思いやる気持ちがなかったのだ」

新たな変化を期待しながら努力出来る環境にいる自分がどれほど恵まれている存在か、改めて考えさせられました。

さあ、しっかり練習しよう。

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